一般質問・公共交通について(6月議会②)
公共交通の理想と現実
古賀市は、地域公共交通計画で「まちを支え地域をつなぐ持続可能な公共交通の構築を目指す」としています。さらに、第5次古賀市総合計画アクションプランでは、マイカーを持つ必要がないくらい便利な公共交通を目標に置いています。
しかし、多くの自治体で、路線バスの撤退が相次ぎ、補完となるタクシー業界もドライバー不足にあえいでいます。古賀市の公共交通も状況は同じです。市は、西鉄バスの撤退については検討していないとのことですが、西鉄バスは、平成25年、平成29年、令和1年に、合わせて3路線を廃止しています。現実を受け止め、早急に検討を始めるべきです。
マイカーの年間維持費と公共交通の維持費
マイカーの年間維持費は車両代以外で、軽自動車33万円、普通自動車44万円だそうです。一方、古賀市の令和6年度公共交通維持確保事業費は1.5億円、市民ひとり当たり2,500円になります。お財布に優しいのは、公共交通の方だと分かっていてもバスは不便で利用しにくいのが現実です。公共交通の検討には、利用者である市民の参画が必要不可欠です。
しかし、市民と一緒に考える仕組みである地域公共交通協議会は市内の4行政区にしかなく、全市民で検討する体制を取れていません。全行政区に設置する方向性はあるか?との問いに、基本的に要望のあった地域に設置しているとの答弁でした。「バスが不便だからマイカーを手放せない」と思っている市民は、自分の行政区に地域公共交通協議会を設置してもらうよう、組長さんや区長さんに要望しましょう。
コミュニティバスと民間の交通資源
古賀市は、コミュニティバスとして、コガバスとAIオンデマンドバスのるーとを位置付けています。地域公共交通協議会を設置している行政区の住民とともに運行を検討しているからです。
のるーとは、スマホによる登録制・予約制で、AIでコースの無駄を省き効率よく移動するバスですが、利用者ひとり8千円の経費が掛かっています。コガバス、のるーと、どちらも運行エリアが限られており、コスパの面からコガバスに集中した方が良いのではないでしょうか。
さらに、全国的な課題である、ドライバー不足を乗り越える施策が必要です。コミュニティバスの運行委託先はタクシー会社ですが、それ以外の交通資源を発掘しなければなりません。民間企業の送迎バスの運転手に対して、1種免許から2種免許取得を助成し協定するなど、交通資源を開拓する必要があると提案しました。
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