那珂川市の不登校支援の現場へ
好きな服で、好きな時間に出入りができて、
こどもたちや関わる大人がやわらかい表情をして同じ目線で関わり合っていたそんな印象
10月の総務文教常任委員会で
待望だった那珂川中学校の校内スペシャルサポートルームと、市立保育園横に8月に移動した不登校支援の中核を担う教育サポートセンターの2箇所を視察させていただきました
スペシャルサポートルームは、学校の中の休憩室のような、リビングルームのような雰囲気で、畳敷ではボードゲームをしている子、真ん中のダイニングテーブルでは、クロムブックで好きなイラストをワイワイ言いながら検索したり、伏せて寝ている子も。となりの学習ルールは個別指導塾のような雰囲気で集中できる環境が整えてありました。
生徒に聞くと、「以前は、机がたくさん置いてある自習室みたいなところで、そこでただ座っているだけだったけど、この大きなテーブルが来て、どんどん過ごしやすくなった。」と明るく話してくれました。
そして、もう1箇所。
かつては中央公民館の奥の方にひっそりとあった適応指導教室わかば学級(適応指導という言葉自体相応しくないなぁと)、市立保育園の横の旧子育て支援センターを改装して、とても開放的で明るい場所になっていました。
この日はハロウィンパーティということで、メイクもヘアスタイルもイケてる生徒が好きな厚底の靴を準備して出迎えてくれました!思い思い好きな格好をして、ケラケラと笑って着飾りを手伝いあっていました。楽しい時間をすごしているなぁ、と。「その子その子のペースがあることを知りました。学校の大人数で時間割などを他の子と同じようにこなすことは大変だったと思う。」と職員の方から。
以前は適応指導教室という名の通り、学校と同じようにすることを求めて、通う時間や、制服を着用させることにこだわっていたとか。制服にトラウマがある子もいることもわかったと話してくださいました。
こどもの声を聞こうとする姿勢が温かかったです。
サポートセンターの大切にしたい考え方は、
⚪︎登校できない児童生徒の社会的自立を促し、集団生活に適応する力を育む
⚪︎様々な活動や体験を通して、集団に適応する力を育む
⚪︎児童生徒の心の居場所としての存在を大切にし、児童生徒が自己選択・自己決定を行うこと ができるように支援する
だそうで、こうした共通概念を持ち始めている事も前進している事だなぁと感じました。
2年前に常任委員会で不登校支援の先進地域であった愛知県岡垣市を視察させていただきその取り組みや理念に感銘を受けて、その後教育委員会においても先進地域を視察されて、そして具体的に現場で問題意識を持っていた校長などとともに、教育委員会が連携してこうした取り組みを進めてきてくださっていることに感謝しかありません。
スペシャルサポートルームも全校へ広げたいという考えもあるようですが、スペースと人員の確保の課題もあるとのこと。
本当はこどもたちの姿を撮りたかったけどそれはできなかったので、サポートセンターの教室内から庭のスペースを写したもの
昨日は秋晴れが気持ちよくて、外に出てみると生徒がひとり気持ちよさそうに足を伸ばして座っていました。ゲームブースで隣から園児たちが遊びにくるのを楽しみに待っているのだそう。
わたしにも中2の息子がいますが、毎日慌ただしく過ごしています。充実しているようにも見えるけど、こうして空を眺めながら他者を喜ばせることに思いを馳せながらボーーっと過ごす時間、持っているのかしら。と。
私たちはもっと、自分の快適な速度を知って、自分の好きな時間を進んだらいいんだと思う。
そんな大切なことを私たち大人に示してくれているこどもたちの姿が尊かったです。
課題はまだまだある不登校の問題。
それでも教育委員会においても、当事者である保護者のたちにおいてもなにかできおることからと取組を進めていることはわかりました。
国としても、教職員一人当たりの児童生徒数の多さ、全国一斉学力テスト、教員の定額働かせ放題とも呼ばれる「給特法」など、さまざまな環境が影響していることを考えると、子どもたち一人ひとりが豊かに学ぶことが保障される社会を実現するためには、国もまだまだやるべきことがあるのだと思います。
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