なぜ今、原発政策の大転換?
政府は12月22日に開かれた脱炭素化に向けた戦略を決める「GX=グリーントランスフォーメーション実行会議」で2050年の脱炭素化社会の実現と電力の安定供給のための今後の基本方針をまとめました。
このうち原子力発電については、CO2を排出しないクリーンなエネルギーとし、実質的に上限の60年を超える原発の長期運転を認めることや、これまで想定してこなかった次世代型の原子炉の開発・建設に取り組むなどが示されました。
これは、11年前の福島第一原発の事故後に、「エネルギー基本計画」では将来的に原発への依存度を可能な限り低減していくとしていた政府の原子力政策の方向性を大きく転換することになり、それを願っていた国民の思いとは相いれないものです。
現在、日本の発電量の内訳は表の通り。
火力発電に化石燃料を20兆円ほど輸入しています。ロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、化石燃料価格が高騰していることを理由に、電気代の値上げが続き、私たちの暮らしにも多大な影響を与えています。しかし、影響を受けているからと、原発政策を大転換することには大きな疑問があります。しかし、影響を受けているからと、原発政策を大転換することには大きな疑問があります。
原発は事故が起きると人間の手に負えないことを私たちは目の当たりにしました。福島第一原発事故から11年になりますが、いまだに、汚染水や廃炉などの問題を解決する見通しも立っていません。また、使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の建設地は未定のままで、核のごみはたまっていくばかりです。未来へ負の遺産を押し付けることになります。
ふくおか市民政治ネットワークは、再生エネルギーを増やすことで、原発に依存しない脱炭素社会の実現を達成していくことが、今を生きる私たち大人の責任と考えます。
子どもたち、未来の世代へ安全・安心に暮らせる社会を手渡します。
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